著者 冨嶋克子
  (株)現代書館
 定価2,415円(本体2,300円)
  2000年10月10日発行
   

 振り返ってみれば、裁判の否定を意味する本件「20年裁判」は、提訴から差戻審終結まで、法曹界に深い根をはった腐敗との闘いの連続だった。勝訴しても母は生き返ってこない。医療過誤裁判の虚しさは提訴の時点から覚悟していたが、その悲しみに追い打ちをかけたのが、国家権力を笠に着る法曹界の腐敗だった。憲法が悪徳法曹に限って「法破りの特権」を与えた事実はない。
(本文中より)


 国民の多くは社会の弱者であり、司法においても同様の存在です。
 司法ほど「表」と「裏」のちがう世界はありません。裁判は高給取りの裁判官・検察官の職場であり、民事裁判の法廷には大金がころがっています。いつまでも権力(官僚的封建司法)を保持し、大きなパイにありつけるようにと、いわば独占企業の運命共同体にある彼等は、巧みな手法で、主権者である国民を司法から遠ざけてきました。その功績で彼等の勲章「日本は正義のとおらない国」という世界に冠たる評価を獲得しました。
 2000年9月5日付毎日新聞(夕刊)の記事「良心的な法学者、川島武宜は『(戦中戦後を通じ)なぜ、日本人は法律を守らないのか、一体どうしたら日本人は法律を守るようになるのか』を問い続けた(“甘え”と社会科学)。その土壌は少しも変わらぬ?」に対する不当裁判経験者の回答は「まず第一に法曹三者に法律の原則を遵守させること」です。またこのことが憲法で保障された「公正な裁判を受ける権利」を担保することになります。
 財界の肝いりで内閣に設置された司法制度改革審議会は「法曹の法曹による法曹のための利益分配」の談合審議会です。法曹一元・陪審制はおざなりで、はやくも弁護士の広告・公職兼業解禁が実現します。
 そうではなくて私たち国民は「人民の人民による人民のための司法権」を樹立しなければなりません。そのために「人民の人民による人民のための『公』の審議会」ができることを切望いたします。この国民審議会の結論を国会でとりあげ実現にむけ検討してもらいたい。これは議会制民主主義にかなうことだと考えます。
 世間の多くの人に「裁判の実態(当事者の死角)」と「法曹の横暴」を知ってもらい、この本「誤判」が問題解決の糸口になれば本望です。そうなることを祈ります。
 マスコミの方々には記事や番組でとりあげていただけますようにお願い申しあげます。   
2000年9月13日 著者冨嶋克子


事件経緯
1976年(昭和51年)
3月17日
西川医師初診
診断名・インフルエンザ由来の上気道炎
4月14日午後〜16日朝
西川・蒲池両医師の共同診療
診断名・風疹
4月16日〜23日
国立下関病院
診断名・薬疹 強度の顆粒球減少症(無顆粒球症)
4月23日午前8時55分
敗血症で患者・冨嶋スエ子死亡
裁判経緯
1976年(昭和51年)5月
西川・蒲池両医師を「殺人罪」で下関警察署に告訴
1977年(昭和52年)夏
不起訴
 
1979年(昭和54年)4月18日
民事裁判を山口地方裁判所下関支部に提起
1983年(昭和58年)7月11日
第21回期日 事実上の結審
1985年(昭和60年)6月18日
梶本俊明裁判長を「怠慢」「偏向」で弾劾裁判所に訴追申請
1986年(昭和61年)3月5日
訴追失敗
1987年(昭和62年)11月16日
第25回期日 再結審
1988年(昭和63年)12月19日
第26回期日 再々結審
1989年(平成元年)2月20日
敗訴(棄却)
 
1989年(平成元年)2月28日
広島高等裁判所に控訴
1992年(平成4年)7月20日
『権暴ー欺瞞の法廷』出版
1993年(平成5年)2月5日
山口地方検察庁下関支部に藤戸憲二裁判長・梶本俊明裁判長・秋富幾夫書記官・吉鹿健二書記官を「虚偽有印公文書作成罪」で告訴
1993年(平成5年)3月4日
告訴取り下げを強要し、捜査を開始しない地検下関支部を「公務員職権濫用罪」で山口地方検察庁に告訴
1993年(平成5年)4月14日
「虚偽有印公文書作成罪」告訴の告訴状受理を条件に、山口地方検察庁の依頼で、地検下関支部を訴えたほうの告訴を取り下げる
1993年(平成5年)8月18日
「虚偽有印公文書作成罪」告訴が「時効完成」を理由に不起訴
1994年(平成6年)10月19日
第8回期日 結審
1995年(平成7年)2月22日
敗訴(棄却)
 
1995年(平成7年)3月1日
最高裁に上告
1995年(平成7年)3月27日
東京地方検察庁特別捜査部に柴田和夫裁判長・佐藤武彦右陪席裁判官を「公務員職権濫用罪」で告訴
1995年(平成7年)5月1日
犯罪地が広島県であることから広島地方検察庁に告訴し直す
1995年(平成7年)12月22日
「嫌疑なし」との理由で不起訴
1997年(平成9年)2月25日
最高裁第三小法廷「広島高等裁判所に破棄差し戻し」判決
 
1998年(平成10年)9月21日
差戻審で勝訴確定


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